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【カーオーディオ・マニア】外部パワーアンプを用いて構築する「パッシブシステム」とは?…システム構築術研究

特集記事 コラム

バイアンプ接続対応スピーカーの1例。ダイヤトーン・DS-G20。
  • バイアンプ接続対応スピーカーの1例。ダイヤトーン・DS-G20。
カーオーディオにおいてのさまざまなシステムタイプについて、どのようなものがあるのか、それぞれの楽しみ方のコツは何なのかを、1つ1つ解説している。連載4回目となる今回は、外部パワーアンプを用いて構築する、「パッシブシステム」をクローズアップする。


■「パッシブシステム」とは、パワーアンプの後段で“帯域分割”を行うシステム。

今回からはいよいよ、外部パワーアンプを使用するシステムについての解説に突入する。まず取り上げるのは、「パッシブシステム」だ。

最初に、「パッシブシステム」とはどのようなシステムなのかを解説しよう。

ひと言でいうと、「音楽信号の“帯域分割”を、パッシブクロスオーバーネットワークで行うシステム」ということになる。なお“帯域分割”とは、セパレートスピーカーに対して音楽信号をトゥイーター用とミッドウーファー用(2ウェイスピーカーの場合)に分けることを指している。

ちなみに“パッシブ”という言葉には、「受動的、受け身」というような意味がある。反対語は“アクティブ”で、「能動的、積極的」といった意味を持っている。そしてそれぞれは、カーオーディオシステムにおいて使われると、“帯域分割”をパワーアンプの前段で行うか後段で行うかを区別する言葉となる。つまり、“帯域分割”をパワーアンプの前段で行う場合そのシステムは「アクティブシステム」と呼ばれ、後段で行う場合には「パッシブシステム」と呼ばれることとなるのだ。

ところで、当連載の第1回目でテーマとした「純正システム」も、“帯域分割”の形式は「パッシブシステム」であった。ただし今回はそれとは分けて考えていく。異なるポイントは先にも書いたとおり、「外部パワーアンプ」を用いての、というところだ。


■「パッシブシステム」ならば、より合理的にシステムを完成できる。

続いては、パッシブシステムのメリットを考えていこう。

最大の利点は、「パワーアンプのch数が少なくてすむこと」である。「アクティブシステム」では音楽信号を帯域分割した後にそれぞれをパワーアンプに送り込むことになるので、パワーアンプのch数は、使用するスピーカーの数だけ必要となる。例えばフロント2ウェイスピーカーならば、左右で計4chが必要となる。

しかしながら「パッシブシステム」ならば、2ウェイスピーカーであっても3ウェイスピーカーであっても、パワーアンプのch数は左右合計で2chあれば大丈夫だ。

そしてパワーアンプのch数が少なくてすむことによって、インストールスペースも少なくてすみ、予算も削減できる。より合理的にシステムを完成できるのだ。

サウンド的には、「大きく失敗することがない」ことがメリットとなる。というのも、カーオーディオではスピーカーの取り付け位置や角度、車種ごとの室内形状等々、取り付け条件が都度異なるので、できるならば「アクティブシステム」を組み、都度「クロスオーバー」を調整して“音の繋がり”を整えたい。しかしそうはいいつつも、上手くいかないことも有り得る。プロに任せれば失敗することはないと思っていいが、可能性としては有り得てしまう。しかしながら「パッシブクロスオーバーネットワーク」を使えば、大きな失敗は起こりにくい。

さらに言うと、メーカーは「パッシブクロスオーバーネットワーク」も含めて音作り(製品作り)をしている。であるので、「パッシブシステム」で音楽を聴くと、製作者の意図した音を楽しめる。その製品の性格を、正確に把握することが可能となる。


■「パッシブ」に備わっている機能は積極的に使うベシ。

続いては、「パッシブシステム」を組むときの楽しみ方のコツを紹介していこう。

1つ目は、「パッシブに備わっている機能を積極的に使う」である。製品のグレードによっては「パッシブ」に機能が備わっていない場合もあるが、もしもなんらか備わっているのなら、これを試さない手はない。

なお、備わっている機能の代表格は、トゥイーターのレベル調整機能だ。トゥイーターの取り付け位置によっては、高音がきつく感じられることもあり、そんなときはレベルを落とす調整をするとバランスが良くなる。

そしてもう1つ、とっておきの方法がある。それは「バイアンプ接続」、だ。

これを行うためには、スピーカーに付属している「パッシブクロスオーバーネットワーク」が「バイアンプ接続」に対応している必要があるのだが、もしも対応していたのなら、ぜひともこれを試してみよう。そうすることで、スピーカーの性能がワングレード上がったかのような、場合によってはそれ以上の音質向上を感じ取れるはずだ。それほど効果が大きいのである。


■パワーアンプのch数は多く必要になるが、得られる利得も大きい。

「バイアンプ接続」について、もう少し詳しく解説していこう。「バイアンプ接続」とは、「パッシブクロスオーバーネットワーク」への入力を2系統で行う接続方法である。通常は、「パッシブ」に備えられている入力端子は1つ(プラスとマイナス)だけだが、「バイアンプ接続」対応「パッシブ」では、トゥイーターとミッドウーファーそれぞれ用に入力端子が備えられている。つまり、それぞれのスピーカーに専用のパワーアンプのchを用意して接続する、というわけなのだ。

ただしこうすることで、パワーアンプのch数がスピーカーユニットの数と同じだけ必要となってしまうので、ch数が少なくてすむというメリットは消えてしまう。しかし得られるメリットは大きい。1つのchで1つのスピーカーをダイレクトに鳴らせることと、「パッシブクロスオーバーネットワーク」内で回路を分離できることにより、大きな音質向上を得ることが可能となるのだ。

なお、パワーアンプの同一のchからスピーカーケーブルを2系統伸ばし、それぞれを「パッシブクロスオーバーネットワーク」のトゥイーター用、ミッドウーファー用の端子に接続するという「バイワイヤリング接続」を実行することも可能だ。この場合、個別にパワーアンプのchを用意するわけではないので、それによる利得は得られないが、「パッシブ」での回路を別にできることの効果は現れる。このやり方ならばパワーアンプを増設する必要もないので、まずはこちらから試しても面白い。


さて、今回の解説は以上で終了だ。次回は「パッシブシステム」の対極となる「アクティブシステム」について解説する。お楽しみに。

内蔵? パッシブ? マルチ? 『システム構築術研究』その4「パッシブシステム」編

《太田祥三》

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